2011年04月23日

定例会の報告

月一回開いている定例会の報告です。
3月、4月の定例会では、ファンクラブ会員の皆さんからとても興味深い報告がありました。


◆3月の定例会(首里・てぃしらじそば)

3月の定例会には大分大学の山浦先生が駆けつけてくれました。
ちなみに参加者は、東洋大学高山ゼミの学生さん3人、沖縄大学院生の小笠原さんと学生さん2名、さらにサプライズで突然現れた東洋大の高山先生と、賑やかな顔ぶれになりました。
東洋大学の学生さんたちは昨年の沖縄合宿の際のお礼行脚(?)でいらしていて、合宿の報告書もまとめてくれていました。

山浦陽一先生は一昨年、楚洲共同店まで案内して以来、ファンクラブにも参加して頂いています。今回は大分で実施した「農村の買い物実態調査と実験」の報告でした。
大分県豊後大野市の移動販売業者さんの車に同乗して、利用者である過疎地の高齢者を調査され、また「奥嶽ショッピングセンター」という共同売店(地域売店)の試験営業をされたということでした。
詳しくはこちらで報告されています。

 豊後大野わくわくweb
 http://wakuwaku.bungo-ohno.net/syuraku/index.html

集落営農ならぬ「集落営商」がとても分かりやすく説明されてます。過疎や「買い物難民」問題の最前線で取り組んでいる若い研究者がいるということを、とてもうれしく思いました。
それから山浦先生から先日出版された『農山村再生の実践』も頂きました。著者サインはもらえませんでした(笑)

 農山村再生の実践(JA総研研究叢書4、小田切徳美編著)
 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4540101625.html

この中で私もお手伝いをさせていただいた山浦先生の調査報告が「地域共同売店の実態と持続可能性」(第1部第2章)と題してまとめられています。
沖縄の「元祖」共同売店と、本土の「地域共同売店」の比較はとても参考になります!
特に、沖縄の共同売店がなぜ「住民の参加意識が高い」「主体性が高い」「買い支えの気持ちが強い」のかという考察は、これまでなかった貴重なものだと思います。
本土で同様の店を運営したり、これがら始めようと考えている人にとても参考になりますし、また「住民参加」「住民主体のまちづくり」「市民協働」など口で言うのはカンタンだけどなかなか実現できない、、、という行政関係の方には、大きなヒントが見つかると思います。
まだ読まれていない方は、ぜひご覧になって下さい。

定例会の報告 定例会の報告
(長谷川さん、写真ありがとうございました)


◆4月の定例会(那覇市IT創造館)

今月の定例会では、高齢者福祉施設の所長さんである中村さんが報告してくれました。
参加者は吉澤直美さん、富川さん、富川さんの紹介で初めて参加した小泉さんと清水さん(sapientia)、そしてオブザーバーとして急遽駆けつけて下さった那覇市福祉部の島村さん、さらに期待のホープ沖大院生の小笠原さん(抜けててゴメン!)、と今回も多彩な顔ぶれとなりました。

中村さんは、共同売店やマチヤグワーをこよなく愛する素晴らしい方です(笑)。
今回は、那覇市内の2ヶ所の小さなマチヤグワーでヒアリングを行い、経営者や買い物客(利用者)の生活マップを作成した結果を報告してくれました。

マチャーグヮー(町屋小)というのは、個人商店のことです。
那覇周辺には共同売店はありませんが、住宅街の中など「こんなところに?」と思えるような小さな商店が今も残っています。
これらの店はどんどん減ってはいますが、つぶれてもおかしくないのに頑張っているところも少なくありません。

店を経営している方は70代、利用者も高齢者が多いですが、マップにしてみるとそれぞれの地域性や地域で互いに支え合っている様子が伺えました。
清水さんがブログで紹介してくれています。

 旬産旬消
 http://sapientia.ti-da.net/e3353105.html

共同売店でも同様の手法でマップを作ってみたら、さらに濃密な地域との結びつきが見えてくると思います。

定例会の報告



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Posted by mkat at 03:45│Comments(0)勉強会
 
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