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2011年08月09日

NPO法人フェルマータの原さん

(これまでの経緯は前々回の記事をどうぞ

7/24、フェルマータの理事長、原敏(はらさとし)さんにお会いすることができました。
NPO設立からこれまでの活動や、大宜味で共同売店の運営を引き受けることになった経緯など、詳しくお伺いすることができました。

 NPO法人フェルマータの原さん


NPO法人フェルマータは大阪の高槻市を拠点に、若者や精神障害者の自立支援などを行っている団体です。
原さんたちフェルマータの皆さんは、今年4月から6月にかけて、大宜味村内の共栄スーパー、大保共同売店、大兼久共同売店の3店舗の運営を始めています。
共栄スーパーは個人商店でしたが、大保と大兼久はもちろん共同売店です。

本来、共同売店は地域の人たち自身が運営するものです。
最近は個人に委託する売店が増えているとはいえ、多くは地元または周辺の集落の人です。
以前に、移住してきた本土出身者が請け負った例(国頭村の宇良売店など)はありましたが、県外の団体が運営しているというのは、これは非常に珍しいというか、初めてでしょう。

NPO法人フェルマータの原さん

原理事長は、もとは精神科病院で看護師をされていたそうです。
2001年、病院に勤める有志とともに「障害者の街の暮らしを創る会」を設立されます。
そして、社会の中で居場所を見つけられない退院後の患者さんたちのために、サロンdeフェルマータという喫茶店をオープン。
翌年にはNPO法人格を取得し、現在では障害者に止まらず、ひきこもりやニートなど若者の自立支援などへ活動の幅を広げてきています。

*こちらのブログやサイトも参考にさせて頂きました↓
 NPO法人フェルマータ「その人なりに ほどよく」 フェルマータの始まりNo1No2
 内閣府共生社会政策担当・青少年に燗する調査研究 活動事例

NPO法人フェルマータの原さん

原さんの沖縄との最初の関わりは、奥様が大宜味の塩屋出身だったこと。
そして数年前から、若者自立サポートのためのワークキャンプを大宜味で行ったり、やんばる自立サポートセンターという合宿所を大兼久に作ったりされています。
こうした活動の中から、地元の人たちとの交流が深まり、共同売店の意義、危機的な窮状を知って、請け負う決意をされたようです。
原さんがいなければ、多くの「買い物難民」が生まれ、運転できない後期高齢者を中心に、村を離れたり施設に入らざるを得ない人が出たでしょう。
心を病んだ方や若者の自立を手助けしてきました原さんが、地域の自立を手助けすることになったわけです。

私は、けっして原さんたちを怪しんでいたわけではないですが、お会いし、とてもしっかりとした考えと思いを持って共同売店を請け負っていると感じて、ほっとしています。
地元に土足で入り込む訳でもなく、また安易におもねるわけでもなく、きちんとした距離を持って冷静に見つめているように思えました。

原さんが踏み出した一歩は、非常に大きなものだと思います。
しかし、もちろん心配がないわけではないです。
経営が苦しい状態がなくなった訳ではありませんし、また将来的には地元の人、地元の団体として安定した運営ができるようにしなければなりません。
それには、仕入れ方法を見なおしたり、共同売店同士が連携するなど、これまでのやり方を一から見直すつもりで、あらゆる手段を考えていかなければならないと思いますが、やはり一番大切なことは、大保、大兼久の人たち、そして大宜味村全体が「共同売店をなくしてはいけない」という思いを持つことが必要だと思います。



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