山田共同売店にて その1

mkat

2006年12月12日 21:52

谷茶(恩納村)にある谷茶里ストアで盛大なカジマヤー祝いを堪能した後、
北川さんと私は南へ下って山田共同売店へ向かいました。

恩納村といえば、大型ホテルが軒を連ねる日本有数のリゾート地。
日本復帰以後、今も続くホテル建設ラッシュで、かつての静かな漁村も姿を変えつつあります。
ホテルの前には、観光客向けのお土産品店、郷土料理店、コンビニが増え、
15の字(集落)すべてにあったといわれる共同売店は、現在は半分になってしまった。
ほとんどは株主制から個人請負へと変わっています。



山田の集落は、そんな国道58号線沿いの喧騒から少し離れたところにあります。
昔はフェーレー(追いはぎ)が出る「難所」として知られた多幸山の近く、
というか「琉球村の近く」といった方が分かりやすいかもしれない。
今でこそ赤瓦の家も少なくなりましたが、まだ昔ながらのたたずまいが残る静かな部落です。

山田共同売店は、今でも住民が所有する株による共同経営が健在。
1戸1株で160戸の組合員がいて、組合長、5つ班の代表からなる理事と監査役という組織での運営。
まさに地域の人々が店を支え、店が地域の暮らしを支える。

そんな山田にも、近くにコンビニができる話があったという。
現在、売店を任されている斉藤さんによれば、
「幸い、話を持ちかけられた土地の所有者が、部落のみんなと相談して、、
結局土地を売らないことにしたそうです。
もしコンビニができてたら、売店はどうなっていたでしょうね、、、」



売店はとても広く作られている。
商品スペースの他に、リサイクル品コーナーや「休憩室」というユンタク場所もあり、
一部は、これまで学習塾に貸していたほど。
北川さんは、店内をひと目見るなり、
ここならデイサービスを作って、地域密着のケアができる!
と目を輝かせて言いました。
前回も紹介しましたが、北川さんは滋賀地域自治研究センターの副理事を勤める方。
介護保険の仕掛け人であり、「しみんふくしの家八日市」「あったかほーむ」など、
民家や町屋を利用して、市民やNPOによる、小規模・地域分散型、
地域密着型のケアシステムづくりを仕手がけてこられたそうです。

京都新聞 ~長高齢社会が来る!~ 福祉セミナー(リサイクルせっけん協会)

今回、北川さんが沖縄の共同売店を見に来たのも、共同店・共同売店のしくみに大きな可能性が秘められていると思われたからです。

(長くなるので2回に分けます。続きはコチラ

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