キーワードで考える共同売店
共同売店って、捕えどころのないものです。
おそらくそれは、一言で説明できる言葉がないからじゃないかと思っています。
というのも、共同売店が限られた地域(沖縄と奄美)にしかないことがひとつ。県外の人に共同売店を説明するのはなかなか難しい。せいぜい「
ムラのコンビニ」とか新聞の見出しみたいになってしまう。
もう一つは、100年以上も前の明治末期に生まれて現在まで続いてきたものなので、現代社会に存在している何かに当てはめられない。いわば誕生初期の協同組合(産業組合、現在の農協や生協)や信用組織(講・無尽、信用組合)が、歴史のドサクサと辺境のシマの風俗にまぎれて生き残っていたもの、とでも言ったらいいでしょうか。それはもう「
共同売店とは、共同売店だ」としか言いようがない。
『共同店ものがたり』を出版した時も、沖縄以外の人に分かってもらうにはサブタイトルがないと伝わらないだろうということで、いろいろ考えました。結局、「
沖縄で100年続くコミュニティビジネス」になりましたが、これも「コミュニティビジネスという面もあるけど、もっと大きなものなんだけど、、、」という思いがありました。「ソーシャルビジネス」の方が近いかなという気がしますが、それでは売れないかな。
「共同売店とは、○○○である」という言い方で、「これだ!」というのは、なかなかないですが、結城富美男さんが「
生協と農協と森林組合を合わせたようなもの」と呼んでいたのはさすが分かりやすいなと思いましたし、名桜大学の
中村誠司先生が名づけた「
総合コミュニティ企業体」というのも、なるほどと思わされました。
前置きが長くなりました。
いくつかのキーワードを通して「共同売店って何だろう?」ということを考えていくシリーズを書いてみたらと思いついたので、今回はその予告編です。
ということで共同売店に関連するキーワードをざっと考えてみたので列挙してみます。
ソーシャルキャピタル、コモンズ、共同ストック、マイクロクレジット、フードデザート、地域福祉、高齢化社会、限界集落、民間金融、NPOバンク(非営利金融)、流出しない資本、小規模多機能、地域包括支援センター、オープンソース、共生経済、自治、コンパクトシティ、地域分散型、コミュニティ・コンシューマー、コミュニティ・マイレージ、地域循環型経済、地域経営、ユニバーサルデザイン、バリアフリー社会、社会インフラ、住民調査、グローバリズム、フェアトレード、コミュニティトレード、モータリゼーション(車社会化)、マチグワー、ユンタク、ユイマール、まちづくり協議会 、新しい公、旧市街地・商店街の空洞化(ドーナツ化現象)、地域通貨、模合、講、無尽、門中、社倉(義倉)、セーフティーネット、農産物直売所、相互扶助、協同組合、生協、NPO、マレーニ、モンドラゴン、コミュニティビジネス、社会企業、市民事業、スモールビジネス、ソーシャルビジネス、コミュニティ・ビジネス、ソーシャルファイナンス、コンビニエンスストア、買物難民、買い物弱者、協同組合、ローカルナレッジ Local Knowledge、持続可能な開発のための教育(ESD)、インフォーマルセクター
素人の強みでジャンルもバラバラ。地名、方言から造語まであります。余計何だか分からないでしょうね(笑)
これらは私が思いついたというより、これまで共同売店のことを調べたり書いたりしたおかげで、いろいろな方にお会いすることができて、大学の先生(社会学、福祉、地理、経済学)や記者やライターの方などから新しい概念を教わったり、いろいろな視点から共同売店や集落、現代社会を見ることができて、「共同売店って、こういうことなんだ!」という発見の積み重ねです。
ということで「キーワードで考える共同売店」シリーズの第1回は、「
共同売店は『総合コミュニティ企業体』である」です。
次回(たぶん)、こうご期待!
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