地域資源管理に果たした役割
お知らせをすっかり忘れていましたが、昨年暮れに『琉球列島の環境問題』という本の中で、共同売店の紹介を書かせていただきました。(第Ⅰ章 シマの今昔 [1]地域資源管理と生業の変化 2「やんばるの共同売店に学ぶ「共有」の知恵」
これまで、高齢者福祉やまちづくりの視点から書いたり話したりすることはありましたが、今回は環境がテーマの本ということで、主に薪炭や木材などの林産物を中心としてやんばるの森林資源に関して、地域コミュニティが共同売店を通じて出荷することで、過剰な搾取をすることなく、持続可能で適正な利用「ワイズユース」が可能になった、という内容です。
とはいえ、琉球大学の仲間勇栄先生の論文をはじめ、いろいろな資料や論文を参照させては頂きましたが、なにせ門外漢であり、初めて挑戦したテーマでもあるので、思い込みや実証不足も多いと思います。ぜひご指摘など頂けたら大変ありがたいです。
『琉球列島の環境問題 ~「復帰」40年・持続可能なシマ社会へ~』
沖縄大学地域研究所「『復帰』40 年、琉球列島の環境問題と持続可能性」共同研究班 編
高文研
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琉球列島の環境問題
「復帰」40年の節目を迎えるに当たり、3・11後の社会のあり方を再考するために、沖縄大学地域研究所初代所長・故宇井純氏にゆかりのあるメンバーで結成された【共同研究班】の、2年間にわたる研究成果を本書に集約!
環境と開発の問題が集中する琉球列島の事例を通じて、25名の多彩な実践者や研究者らが、琉球列島の持続可能な社会を考える手がかりを提案する。
●A5判 304頁
●2012年12月11日発行
●本体価格2800円
●ISBN 978-4-87499-499-4
《序文》持続可能な琉球列島を求めて
第Ⅰ章 シマの今昔
[1]地域資源管理と生業の変化
1 やんばる:暮しと自然 島袋正敏(山原ものづくり塾)
2 やんばるの共同売店に学ぶ「共有」の知恵 眞喜志敦(共同売店ファンクラブ)
3 南恩納:シマの暮らしと環境 仲西美佐子(美砂の会)
4 久米島:クメジマボタルからの警告 佐藤文保(久米島ホタル館)
5 サンゴの島々の水環境 中西康博(東京農業大学准教授)
6 名護:「逆格差論」とは 上山和男(一坪反戦地主北部ブロック)
〈コラム〉森と海と共同の力で=名護 輿石正(エコネット・美(ちゅら))
[2]大量生産・大量消費の生活様式
1 沖縄:都市化と地域の変容 崎山正美(風水舎)
2 那覇 問われるライフスタイル 宮良弘子(アースの会)
[3]リゾート開発と環境・自治
1 西表島:リゾート開発と自治・経済・環境問題 石垣金星(NPO法人西表島自然保護協会)
2 竹富島:町並み保存運動40年 上勢頭芳徳(竹富公民館前館長)
[4] 軍事活動による環境問題
1 宜野湾:普天間基地の騒音問題と危険性 山内茂雄(宜野湾市基地政策部元部長)
2 北谷 基地跡地の環境汚染 照屋一博(北谷町建設経済部区画整理課長)
3 名護:辺野古の基地建設計画と環境アセスメント 真喜志好一(建築家・沖縄環境ネットワーク)
4 与那国島:平和な与那国島に自衛隊はいらない
〈コラム〉「周辺」からの転換=与那国島 田里千代基(与那国町議会議員)・田嶋琴江(与那国島の明るい未来を願うイソバの会)
[5] 公共事業と環境問題
1 石垣島:土地改良事業は豊かな暮らしを生み出したか 上村真仁(WWFサンゴ礁保護研究センター)
2 奄美:「日本復帰」後の「奄振」事業と環境問題 薗博明(NPO法人環境ネットワーク奄美)
第Ⅱ章 問題群の構造
[1]「豊かな」社会を求めて
1 大量生産・大量消費の生活様式 桜井国俊(沖縄大学教授)
2 島々のリゾート開発による破壊と再生 安里英子(沖縄大学非常勤講師)
[2] 平和や自治を阻害する「国策」
1 軍事活動による環境問題 砂川かおり(沖縄国際大学講師)
2 植民地経済の形成 松島泰勝(龍谷大学教授)
3 振興開発と公共事業 桜井国俊(沖縄大学教授)
第Ⅲ章 環境問題の歴史的背景
1 島の成り立ちと琉球列島特有の環境 目崎茂和(三重大学名誉教授)
2 琉球列島における人々の営みと自然環境の変容 三輪大介(沖縄大学地域研究所特別研究員)・平良勝保(法政大学沖縄文化研究所国内研究員)
3 米軍統治時代・「日本復帰」後のシマの発展を問う 松島泰勝(龍谷大学教授)
《終章》 持続可能な琉球列島への展望 編集委員会
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