2011年01月01日

住民の合意形成力

新年あけましておめでとうございます。
いろいろ書けないまま2011年になってしまいました。昨年もいろいろありましたが、いくつかとり急ぎ報告というか感想を。

昨年11月から12月にかけて、いろいろな方を共同売店にご案内する機会がありました。
山口県庁の皆さん、新潟の中越防災安全推進機構の皆さん、JICA沖縄の方。それから共同売店まで同行することはできませんでしたが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングというシンクタンクの皆さんがヒアリングにいらっしゃいました。

このブログをご覧になって下さった方ももちろん多いですが、『共同店ものがたり』の他、『都市問題』や『ウチナーパワー』に書かせてもらったものを読んで連絡を下さる方、また、これまでお会いした方の紹介という方もいます。
私よりもずっと、まちづくりや地域活性化に詳しい方々ばかりで、ご案内するのは非常に恐縮なのですが、共同売店から新たなヒントを見出してもらい、それがまた沖縄の地元の人々に還元されることを願ってお話させて頂いています。またそれ以上に私が勉強になることがたくさんあります。

今回の皆さんが共同売店にをご覧になって共通して注目していたのは、一言でいうと「合意形成力」のようです。
共同売店はこれまで様々な事業をや役割を果たしてきています。それ自体もすごいことなんですが、これらを実現するために集落の人々がどうやって「合意形成」してきたのか、それが現代にとって重要なようなのです。
それはたぶん今までは「共同体の絆」「団結力」など、曖昧というか感情的な表現でしか呼ばれていなかったものかも知れません。奥集落の基本理念も「共同一致」です。それらが改めて「合意形成力」というキーワードで捉え直されて、見直されているようです。

例えば奥の人たちは、きちんとした組織に基づく自治を行っていますが、それらのプロセスや次世代に継承してきた仕組みを見直していくべきなのかもしれません。(奥の共同体を研究してこられた皆さんには、何を今更と思われるかもしれませんが、、、)

では、これら沖縄の伝統集落の自治に見られる「合意形成力」は、どうやって形成されたのか。
それはもちろん歴史的な様々な要因があるでしょうが、私は、ちょっとこじつけかもしれませんが、やはり集落が「共同売店」を設立し運営してきたことで培われた部分も大きいのでないかと思います。

それから、JICAの方を案内したことも、私にとってもは非常に新鮮な経験でした。
アジアやアフリカの途上国の自立や発展に共同売店の仕組みが役に立つのではないか、というのは以前から私が、素人の強みで主張(笑)してきたのですが、実際に海外からの研修生を受け入れるコースを作れないかという具体的な視点で共同売店を見ることで、新しい側面が見えてきました。
また具体的にはうまく表現できないのですが、「資本主義」とか「貨幣経済」とか「グローバリズム」という世界の流れの中で、地域(地方、途上国)が自立していくヒントが、共同売店にはあるという考えは改めて強まりました。

もうひとつ、2010年のファンクラブの出来事としては、定期的な集まり(定例会)を続けたことと、メーリングリストに加わって下さる方が少しずつ増えてきて、それらのメンバーを通じて新しい広がりが生まれ始めているということです。
現在メーリングリストに加わっている方は、基本的に私が直接お会いしたことのある方だけなのですが、県内県外の、様々な職種や分野の方がいて今後がとても楽しみです。

ということで、2011年もより一層共同売店を応援していきたいと思います。
みなさん、よろしくお願いいたします。



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Posted by mkat at 23:34│Comments(2)活動報告
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
昨年11月にご連絡をした釧路公立大学の小磯です。
住民の合意形成力という視点興味深く読ませていただきました。
また、途上国支援の面からの考察も、私も海外経済協力の現場で感じていることです。
ところで、来月那覇市に行く予定で調整しております。もし2月12日(土)お時間があればお会いしたいと思っておりますが、ご都合はいかがでしょうか。恐縮ですが、メールでご都合をお知らせいただければ幸いです。
よろしくお願いします。
Posted by 小磯修二 at 2011年01月13日 16:43
小磯先生、明けましておめでとうございます。いつもありがとうございます。
(ご連絡差し上げましたが、いちおうこちらでも)
お会いできるのを楽しみにしています。

ご専門の方に読まれると恥ずかしいなあと思いながらいつもブログを書いているのですが、、、確かに昨年の暮れは「合意形成力」がキーワードのようでした。山口の皆さんは「折り合いの付け方」という表現をされていました。

なぜ今「合意形成力」が求められているのか、それと同時に、「どうして合意形成力を失ってしまったんだろう?」というのも気になっているというか、気がかりです。

さておき、北海道と沖縄で交流できるようになることを夢見ております。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by makishi at 2011年01月15日 01:28
 
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