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2015年02月20日

かつては本島南部にもありました。元・共同売店を訪ねて

昨年8月まで週刊レキオで書かせて頂いてきた共同売店紹介。
9月からは「マチヤグヮー(個人商店)編」として連載を継続しています。

 
南城市佐敷仲伊保、吉田商店 糸満市喜屋武、徳村商店

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Posted by mkat at 22:31Comments(0)共同売店訪問記

2012年07月23日

伊平屋島の共同売店

先日7/7、伊平屋島の共同売店に行ってきました。

伊平屋島は、沖縄本島の北西側(国頭村の左)に伊是名島と並んでいる、県最北端の島です。
コープおきなわさんのイベント「稲刈り体験ツアー in いへや」に参加して行ったのですが、ご厚意で私だけちょっと抜けて共同売店を全店案内して頂きました。石原さん、伊平屋村役場の皆様、有難うございました。


田名スーパー

伊平屋島は、島全体で伊平屋村というひとつの村です。
その一番北の集落が田名。平松や広がる田んぼが美しい集落。
田名売店の主任さんがとにかく明るくて、頼もしい方でした。モズクも頂きありがとうございました!




前泊スーパー

残念ながら主任さんにはお会いできませんでしたが、またぜひ行きたいですね。


スーパー我喜屋

ベテラン主任の名嘉さんから詳しく、というか厳しい現状をお話頂きました。
ダム工事のあった平成12、3年ごろは、店の売上も今の10倍もあったそう。
公共工事は確かに地元にお金を落としてくれますが、それも限られた一時期のこと。
工事のおかげで安定した収入を得ていた若い人も、かえって農業や地場産業から離れてしまい、工事がなくなると都市部へと出て行ってしまうこともあるようです。


島尻スーパー



数年前に主任制度をなくして、4人の女性の売子さんたちで売店を運営。
しかもお揃いの黒いユニフォーム。
さらに売店のブログ(売り子日記)もやっているという、驚きづくめの売店!
地元の方が作る焼きたてパンやピザもおいしかったです。


野甫売店

野甫の売店といえば、『共同店ものがたり』の表紙や、コーラルウェイでも取り上げられた瓦屋根が記憶に残っていると思います。
残念ながらあの場所は閉店してしまいましたが、3年間も店がないという状況を乗り越えて、一昨年、商工会と自治会が連携し、経済産業省・買い物弱者対策支援事業で、新たに再開しています。




こうしてみると、「スーパー」と名乗っている店が多いですね。
もちろん、みなれっきとした共同売店ですよ。

ちなみに各集落の人口はH24現在、田名292人。前泊276人。我喜屋334人。島尻313人。野甫107人だそう。(各集落の掲示板に貼ってました)
我喜屋がやや大きいですが、あとはだいたい一緒ですね。
野甫はさらに離島になっていて(現在は橋でつながっています)、人口は少ないです。

(ちょっと尻切れトンボでアップしてしまいました、、、)

でも、どの売店も個性的でそれぞれ活気があります。
共同売店は離島の方が元気、という話も納得できました。
集落ごとの人口を見ても、実は本島と離島と差はないんですよね。
むしろ100名以下の小さな部落は、本島北部が多いかも。

*沖縄県企画部市町村課、市町村の町字別人口
http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/contview.jsp?cateid=38&id=4343&page=1

もうひとつ。
前回お知らせした、しまたて協会による支援事業で本を作ることも、各店の皆さんにお話することができました。
本、というか冊子でしょうが、できたら各店に寄贈して、売上はそのまま寄付したいと話すと、皆さん、「ああそうですか、頑張ってね」という感じでしたが(笑)  


Posted by mkat at 18:15Comments(0)共同売店訪問記

2011年12月04日

小ささに学ぶ。最小の売店、伊部売店

世界最大の共同売店といえば恩納村の「おんな売店」こと恩納共同組合売店。
自動ドア、レジ3つ、オープン冷蔵棚、3階建て。共同売店と言えば古くて小さいというイメージですが、恩納売店もれっきとした共同売店です。

さて、逆に一番小さい共同売店と言えばどこでしょう?
答えは、国頭村にある伊部売店です。

  

伊部売店は元は安田協同店の「支店」でしたが、10年ほど前に組合は解散し、現在の経営者である方が買い取っているので、正確には個人売店なのですが、私は共同売店と同じように応援していきたいと思っています。

何がすごいって、その小ささ。商店としてかなり小さいです。
建物の見た目以上に、店内はこじんまりしてます。
しかし、その「身の丈にあった小ささ」「ミニマムさ」が素晴らしい。これからの時代には非常に重要になってくると思うのです。

 

伊部集落は、常時住んでいる家はわずか5軒ほど。
週末に帰省してきて別荘のように住んでいる方も3軒というから、合わせても10世帯に満たない集落。
国道のドライブコースからも一本はずれているので、観光客が店を利用することもほとんどありません。

店の方は普段、店番に立てないので、店の入り口には、「呼び鈴」があります。
お客さんが押すと、隣の家からお店の方が出てくるわけです。
店内は、煙草屋さんのような「カウンター式」で、柵の向こうに商品が並んでいます。
しかしほとんどのお客さんは顔見知りですから、実際には皆さん呼び鈴など押さず、自分で欲しい商品を取って、母屋の方に行き、お金を払うのだそう。

商品の仕入れも、集落の人をよく知っているからこその厳選されたもの。
だから回転がとてもよく、売れ残ったような古い、色あせたような品はほとんどありません。
ただしこれは、ごく少量の仕入れでも配達してくれる卸屋さんがいてこそ。名護の崎浜商店さん、えらい!

初めて伊部売店を見たときは、「これでいいんだ!」と目からウロコの思いがしました。
大切なことは店を続けること。
無理なく、できる範囲でやれるんだ、ということを知らされました。
新潟や東北の震災でも、道路が寸断されて集落が孤立する例が数多くありました。
災害時にも、孤立集落にこのような商店があれば、備蓄機能を果すことも期待されますよね。

小さな集落で長年共に暮らしてきた、顔の見える関係だからこそできる、この豊かさ。
この地域の絆、これこそソーシャルキャピタル(社会関係資本)という名のかけがえのない地域資源、財産です。

さてこちらは、その帰りに訪れた名護市にある天仁屋共同売店。

  

こちらは3年ほど前に閉店してしまっています。
伊部売店と比較して申し訳ないのですが、、、
閉店時、最後に店に関わっていた方に伺ったんですが、「身の丈より大きすぎたために、電気代などの維持費がかかり、閉店に繋がってしまった」という言葉がありました。



まだ真新しい建物ですが、目の前の道の拡張工事にかかったので、まとまった補償が出て建て替えることになったそう。
確かにこうしてみると豪華というほどではないですが、凝った造りになってますよね。

天仁屋集落に、他に商店はありません。
こんなにいい建物があるのに、、、本当に勿体無いです。
ぜひ小さくてもいいから、売店が復活することを願っています。  


Posted by mkat at 00:14Comments(0)共同売店訪問記

2011年07月22日

共同売店めぐり、まとめて。

あちこち行ってもなかなか報告が追いつかなくてすみません!
とりあえず3ヶ月分、まとめて報告します。写真は、いつかアップします。たぶん。

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Posted by mkat at 03:46Comments(2)共同売店訪問記

2011年07月09日

大宜味の2共同売店とNPO法人フェルマータさん

先週の土曜日(7/2)に大宜味のに行ってきました。

昨年11月以降、請け負う人が見つからず一時閉店中だった大保共同売店が、今年4月からフェルマータさんという大阪の福祉系のNPO法人が請け負って再開していると聞いていたので、行ってみました。
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Posted by mkat at 13:34Comments(2)共同売店訪問記

2011年05月02日

GWも共同売店へ!

昨日は、宮城島(うるま市、伊計島の手前です)の宮城共同売店に行ってきました。

ちょっとした縁で、先月、第3世界ショップ基金(プレス・オールタナティブたみくさNPO)のイベントが宮城島であったので覗きに行ったところ、地元の受け入れ役をされていたユウコさんが共同売店も担当していると聞いて、さっそくお邪魔してきました。

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Posted by mkat at 13:15Comments(0)共同売店訪問記

2010年07月16日

湧川共同売店で感じたこと

先日、今帰仁村湧川集落にある、湧川共同売店に行ってきました。
実は今まで、この湧川共同売店の存在をまったく知りませんでした。なので、このブログでも初登場、『共同店ものがたり』でも掲載されていない売店です。まだまだ不勉強ですみません、、、。

どうして今回、知ることができたのかというと、売店の近くに住む方から、
「近所の共同売店が存続の危機にあるので、ぜひ知恵を貸してほしい」
という連絡を頂いたからでした。

30年年近く前の沖縄国際大学の調査(『南島文化 第5号』)の一覧を確かめてみると、どうやら戦後の設立ですが、当時確かに経営を存続しています。
しかし現在の電話帳などにはまったく載っていない(たぶん)。こういう場合は、すでに無くなっているか、完全に個人商店に変わってしまっていることがほとんどだと思います。それに店の前の道は何度も通っていので、せめて看板があれば気付いていると思うのですが、看板もありませんでした。(まだこういう共同売店がありそうです。ご存知の方はぜひお知らせ下さい)



ということで行ってみました。
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Posted by mkat at 01:04Comments(2)共同売店訪問記

2010年03月18日

楚洲共同店に大看板が完成!

楚洲共同店に大看板が完成しました。
しかもなんとデザインの原案は私です!



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Posted by mkat at 00:02Comments(3)共同売店訪問記

2010年01月21日

奥の展示会と、楚洲の研修会

ちょっと遅くなりましたが、昨年12月20日に奥と楚洲に行ってきました。
この日は、奥ではヤンバルの里の資料館で「国頭村・奥を学ぼう展示会」の最終日。また楚洲では楚洲区ふるさと未来再生協議会による「都市農村交流研修会」が開催されていました。

   

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Posted by mkat at 00:10Comments(0)共同売店訪問記

2009年11月07日

呉我共同売店でお昼ごはん

久しぶりに名護の呉我共同売店に行ってきました。
3年前に訪れた時、売店主任のカデカルさんから「今、裏に食堂を作っているところ」と聞いていたのですが、それ以来なかなか来る機会がなくて、今回ようやく来ることができました。

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Posted by mkat at 01:04Comments(2)共同売店訪問記

2009年09月12日

福祉の学生さんたち、今年も沖縄合宿。



今年も東洋大学社会学部社会福祉学科の学生さんたちがゼミ合宿で沖縄にいらしました。
昨年に引き続き、今年も共同売店を案内させてもらいました。(昨年の様子はこちら一昨年はこちら

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2009年05月26日

宇良共同店にて

GWに国頭村の宇良共同店に行ってきました。


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Posted by mkat at 22:26Comments(3)共同売店訪問記

2009年01月08日

初詣は都屋売店

賀春。

2009年となりました。
早いもので2004年12月に始めたこのブログも、5年目に入ります。
今年はもう少し更新して(笑)、共同売店の応援が本格的にできるよう頑張ります。

ということで、今年最初に行った共同売店は、
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タグ :読谷村都屋


Posted by mkat at 23:58Comments(0)共同売店訪問記

2008年09月10日

恩納売店に高山ゼミ来たる。



今年も東洋大学の高山ゼミの皆さんが沖縄合宿に来ました。
(昨年の報告はこちら)  続きを読む


Posted by mkat at 00:50Comments(1)共同売店訪問記

2007年12月26日

宮城共同売店(宮城島)

2007年も残りわずかということで、慌てて訪問記をアップします。

今回ご紹介するのは、宮城共同売店。
東村の字宮城にも「宮城共同組合・本店」がありますが、今回は宮城島(うるま市)にある宮城共同売店です。

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Posted by mkat at 21:49Comments(2)共同売店訪問記

2007年11月19日

汀間共同売店

ここしばらく、共同売店そのものの話題がなくてスミマセン!
ということで、先日行った汀間共同売店の紹介です。



沖縄本島北部、名護市の東海岸に位置する汀間という部落にある共同売店です。
汀間は「てぃーま」と読みます。
なんとも沖縄らしい名前じゃないですか。
瀬嵩のちょっと先にある小さな集落なので、車で通るとあっという間に過ぎてしまって見落としてしまいますが、拝所(御願する場所)のフクギ並木と公民館の間にあります。

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Posted by mkat at 22:08Comments(8)共同売店訪問記

2007年02月03日

奥共同店の選挙

先月、奥共同店の選挙の様子を見せていただく機会がありました。



共同店、共同売店には「主任」と呼ばれる方がいます。
いわゆる一般の商店でいう「店長」にあたる方ですね。
奥共同店に限らず、共同売店の主任さんは、部落の共有財産を扱う大切な役割を任されています。
ということは、主任はムラの「公務員」ということで、給料をムラからもらうわけです。
ということで選挙が行われるわけですね。
共同売店が、ただの「商店」ではないということが伺えます。

奥では、区長、理事、そして共同店主任を選ぶため、2年に1度行われています。



私の父(大宜味村字田港・昭和16年生)は、よく、
「売店の主任というのは誰でもなれるものじゃなく、人望の厚い人しかなれなかった。
田港の売店のおじさんも教養のある人で、学校の教科書を買えない時代、
売店の主任が教科書を写してくれて、それでみんな勉強したものだ」
と話してくれます。



ということで、皆さん非常に真剣で、緊迫感が会場にみなぎってます。
選挙権は、奥区に住所を置いている20歳以上の人。
会場には80人程が集まっていますが、、、私が驚いたのは、



これは共同店前の掲示板に貼りだされていたお知らせですが、
なんと不在者投票までちゃんと行われてたんですね~

恥ずかしながら私は今回、実際に選挙を見せていただくまでは、
「きっと、選挙前に誰が選ばれるかはある程度決まっていて、選挙といっても信任投票のような、形式的な選挙なんじゃないか、、、」
なんて思っていたんですが、そんなことこは全くありませんでした。



ちゃんと票は割れるし、一体誰が選ばれるか、最後まで分からない。
一票一票読み上げられる名前が黒板に書かれるのを、みんな真剣に見つめていて、なごやかなムードなんてものじゃなく、真剣そのもの。
ムラの運営を誰に託すのか。
地域の自治に、全ての人が真剣に関わっている姿を見て驚かされました。
そして、こういう場にムラの若い人たちが普段から触れているからこそ、次世代に伝えられていくのだと思いました。

「自分たちの村を、自分たちで作っている」
奥の方々の強い意思が、100年以上もの間、共同店を守り続けてきたきた根底にはあるんだということを感じさせられました。

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実は今回は、BS日テレ「沖縄楽園スタイル うちなー亭」という番組の取材として選挙の様子を見せていただきました。
この模様は、2/10(土)に放映されるそうです。
【放送予定】
2月10日(土)21:00~21:54
(再放送)
2月11日(日)18:00~
2月17日(土)21:00~
2月18日(日)18:00~

となってます。
他のテレビ局は取材を断られたこともあるらしいので、とても貴重な映像かも知れませんよ!

BS日テレ 沖縄楽園スタイル うちなー亭
毎週土曜 21:00~21:54(54分)
再放送:毎週日曜 18:00~18:54(54分)  


Posted by mkat at 20:55Comments(0)共同売店訪問記

2006年12月15日

山田共同売店にて その2

前回の続きです)

話はちょっと戻って、山田共同売店を訪れた日の前日、
私は北川さんにできたてホヤホヤの「共同店ものがたり」を読んでいただき、
共同売店の成立や現状についておおまかに説明しました。
北川さんはこう語っていました。

「今、医療法人や社会福祉法人が、介護保険という巨大市場をねらって、
各地の高齢化・過疎化する地域にどんどん進出しようとしている。
早く市民の手による地域密着型、小規模分散型のケアシステムを作らないと、
お年寄りたちの年金は、医者や社会福祉法人に吸い尽くされてしまう。
介護保険料はつり上がり、お年寄りたちは高いカネを払っていながら、
工場の流れ作業のような質の悪い介護サービスを受けざるを得なくなる」

介護保険料に地域間格差があることすら知らなかった私は、
北川さんの話に目からウロコの思いでした。

「共同売店に、デイサービスや、子育て支援施設、学童保育などを併設すれば、
人の集まる場になるし、ここで買い物をすることもできるし、生産の場にもできる。
こうやって、地域経済自体が循環しはじめる。
民家を利用したグループホームやデイサービスが全国で広がっているが、
共同売店のような建物やしくみが残っているというのは、地域の大きな財産。
これを活用しない手はない」


(山田共同売店で売られている地元の野菜や果物と、手作りコーレーグース)

そしてこの日、山田共同売店を訪れ、
北川さんはひと目見て、
「ここならデイサービスを併設した地域密着ケアができる!」
と目を輝かせたのですが、、、、

北川さんの話を聞いていた売店の斉藤さんが、
「実は、ここをデイサービスに貸すことになっているんですよ、、、」
とポツリ。
一瞬、僕もドキッとしました。
「どこや?」すぐに聞き返す北川さん。
「医療法人やろ。やっぱりもう目つけてたんや、、、
介護市場は今や7兆円を越える巨大マーケット。
それをねらって医療法人や社会福祉法人が、外へ、各地域へ進出してきている。
奪い合いは、もうとっくに始まっている。
みんな、福祉と聞くと、心優しい人たちのやる世界と思ってるけど、ホントは戦争やで。
ぼーっとしてたらダメ。
地元の人が知恵を絞って、自分たちで地域を守らんと、食い物にされるだけ。
吸われるだけ吸い上げられて、後には何も残らない。
若者は去り、高齢者だけが残る、限界集落というやつ。
滋賀ではこうならないよう、先手を打って地域ケアの拠点を市民の手で作ってきた。
こういうしくみをきちんと作れたところと、そうでないところでは、
今後、大きな差ができてくる。かわいそうだけど、、、。
沖縄は残念ながら全国一、介護保険料が高い地域。
地域の市民の手でケアのしくみを作れば、安くて質の高いケアが可能になり、そのお金は地域で循環する。
沖縄のお年寄りたちは、限られた年金の中から高い保険料を払わされ、流れ作業の工場のような介護を受けるしかない。
しかもそのお金は、地域から都市部へと流出していく一方。
そいういう意味では、沖縄にはもう相互扶助のしくみは残っていない」

私と斉藤さんは、返す言葉もなく、ただうなずくだけでした。
前日聞かされた話が、現実に進んでいる現場が目の前にあったなんて、、、
「共同売店」というしくみがありながら、現在はまったく生かせていない現実。
この一見のんびりした村で、刻一刻と進んでいる現実。
「共同売店ファン」を自称しながら全く不勉強で、そんな現実も知らなかった自分。
共同店のもつ福祉的な機能、という話は何度も聞いたことがありましたが、
ここまで具体的な問題として考えさせられたのは、今回が初めてでした。

何だか暗い話になってしまいましたが、、、これが現実なんですね。
もちろん恩納村だけでなく、沖縄で、全国各地で起きている現実。
のんびりしてるヒマはないようです。
共同売店を利用した地域ケアのしくみを、ぜひ作らなければならないです。  


Posted by mkat at 21:36Comments(6)共同売店訪問記

2006年12月12日

山田共同売店にて その1

谷茶(恩納村)にある谷茶里ストアで盛大なカジマヤー祝いを堪能した後、
北川さんと私は南へ下って山田共同売店へ向かいました。

恩納村といえば、大型ホテルが軒を連ねる日本有数のリゾート地。
日本復帰以後、今も続くホテル建設ラッシュで、かつての静かな漁村も姿を変えつつあります。
ホテルの前には、観光客向けのお土産品店、郷土料理店、コンビニが増え、
15の字(集落)すべてにあったといわれる共同売店は、現在は半分になってしまった。
ほとんどは株主制から個人請負へと変わっています。



山田の集落は、そんな国道58号線沿いの喧騒から少し離れたところにあります。
昔はフェーレー(追いはぎ)が出る「難所」として知られた多幸山の近く、
というか「琉球村の近く」といった方が分かりやすいかもしれない。
今でこそ赤瓦の家も少なくなりましたが、まだ昔ながらのたたずまいが残る静かな部落です。

山田共同売店は、今でも住民が所有する株による共同経営が健在。
1戸1株で160戸の組合員がいて、組合長、5つ班の代表からなる理事と監査役という組織での運営。
まさに地域の人々が店を支え、店が地域の暮らしを支える。

そんな山田にも、近くにコンビニができる話があったという。
現在、売店を任されている斉藤さんによれば、
「幸い、話を持ちかけられた土地の所有者が、部落のみんなと相談して、、
結局土地を売らないことにしたそうです。
もしコンビニができてたら、売店はどうなっていたでしょうね、、、」



売店はとても広く作られている。
商品スペースの他に、リサイクル品コーナーや「休憩室」というユンタク場所もあり、
一部は、これまで学習塾に貸していたほど。
北川さんは、店内をひと目見るなり、
ここならデイサービスを作って、地域密着のケアができる!
と目を輝かせて言いました。
前回も紹介しましたが、北川さんは滋賀地域自治研究センターの副理事を勤める方。
介護保険の仕掛け人であり、「しみんふくしの家八日市」「あったかほーむ」など、
民家や町屋を利用して、市民やNPOによる、小規模・地域分散型、
地域密着型のケアシステムづくりを仕手がけてこられたそうです。

京都新聞 ~長高齢社会が来る!~ 福祉セミナー(リサイクルせっけん協会)

今回、北川さんが沖縄の共同売店を見に来たのも、共同店・共同売店のしくみに大きな可能性が秘められていると思われたからです。

(長くなるので2回に分けます。続きはコチラ)  


Posted by mkat at 21:52Comments(0)共同売店訪問記

2006年12月05日

谷茶里ストアーのカジマヤー

先月、北川憲司さん(滋賀地方自治研究センター副理事)と一緒に共同売店を回りました。



北川さんは今回、別の用事で沖縄に来られたのですが、
「沖縄にあるという共同売店とやらを見てみたい」
と、沖縄リサイクル運動市民の会の古我知さんに相談したところ、
「あー、それならちょうどいいのがいるよ」
ということで、私を紹介されたわけです。

(古我知さんとは、10年前、北川さんが滋賀県でグリーン購入運動をすすめていた際に古我知さんの招きで沖縄で講演した際に知り合ったそうです。こんな古い琉球新報の新聞記事もありました)

北川さんは地方自治研究センターで、介護保険、地域ケアシステム、福祉ビジネス、NPO支援、まちづくり、地元学などをテーマとした調査・研究、講演活動などを行ってきた方です。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
おうみネット http://www.biwa.ne.jp/~ohmi-net/ouminet/ohminet-19/oumi019-1.html
物語・介護保険 http://www.yuki-enishi.com/kaiho/kaiho-23.html

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
地元学のイベントで結城登美雄さん(民俗学)に講演していただいた時に沖縄の共同売店のことを聞き、ぜひ見たいと思っていたということでした。



北部まで行く時間がなかったので、恩納村へ。
谷茶(たんちゃ)にある谷茶里ストアーの前で、何やらお祭りのような人だかり。
見ると、ちょうどカジマヤー(97才のお祝い)の真っ最中。
地域の人が総出でオープンカーによる道ジュネー(練り歩き行列)と、盛大にお祝いしていて、さすがの北川さんもビックリ。



「歳を取るって、何ておめでたいことなんだ!」
このお祝いを見ていて、素直にそう思いました。
参加していた子どもたちの目にもきっと、みんなにお祝いされて誇らしげなお婆ちゃんの姿が焼き付けられたでしょうね。
お年寄を大切にする文化が、ここではしっかりと引き継がれているんだと感じました。
 
谷茶里ストアーは「谷茶の里」と書いて「やさり」と読ませているそうです。
名前こそ「ストアー」ですが、谷茶区の直営による共同売店。
区長さんが店長を兼任しています。
国道に面した側は店舗ですが、集落に面した裏側へ回ると区事務所、2階は公民館になっています。



共同売店が地域に果たしている役割のひとつに、「共同売店はお婆ちゃんたちの情報交換、 ユンタク(おしゃべり)の場」という言い方があります。
しかし、こういう盛大な行事が行われているのを見ると、そんな小さなものではないですね。
日常的にはユンタク程度の場にしか見えませんが(それももちろん大事だけど)、共同売店は、まさに地域の中心だと感じました。

この後もうひとつ、恩納村山田の山田共同売店に向かうのですが、続きはまた今度。

追記:続きはコチラコチラです。  


Posted by mkat at 23:32Comments(2)共同売店訪問記