2005年11月13日
奥共同店 その2
奥共同店の仕組みを、ちょっとおさらいします。
共同店は、奥区の共有財産です。
区が共有する施設は他に、奥交流館、資料館、奥ヤンバルの里(宿泊施設)などがあり、
財産管理運営委員会によって管理運営されています。
→奥ヤンバルの里
店の経営を任されている人は「主任」と呼ばれ、
2年ごとの選挙で選ばれます。
「僕は区から給料をもらっている、いわば公務員です」
と奥共同店主任、糸満盛也さん。
ちなみに奥共同店主任は、奥茶業共同組合の組合長も兼任します。
お茶の生産は、奥の主要産業のひとつで、
共同店が中心になって生産、製茶、販売を行っています。
毎年4月になると、奥の銘茶「奥みどり」は、
「日本一早い茶摘み」として新聞やテレビで全国に紹介されるほど。
奥共同店では、主任の他に2名の店員さんがいらっしゃいました。
これは他の共同売店と比べるとすごいことです。
過去には、精米、運送、酒造、電力、金融などさまざまな事業を行ってきた奥共同店ですが、
現在は、購買(日用品販売)と、お茶の製造販売が中心です。
「でも最近は、ずっと途絶えていた炭焼きと田んぼを復活させたんですよ」
僕がお話をうかがってきた日は、ちょうど刈り入れの日でした。
子供たちも集まり、昔懐かしい足踏み式の千歯こきでもみを取っていました。
炭焼き研究会も発足させて、炭焼き小屋を建て、生産を始めています。
また、糸満さんは、国頭ツーリズム協会にも所属しており、
奥の集落をのんびりと巡る、「散策コース」の案内人も務めています。
サンゴや石を利用した塀やヒンプン、昔ながらの赤瓦の家、
民具資料館や、製茶工場、もちろん共同店も、
集落の特徴を表す約20カ所をのんびり散策できるそうです。
→国頭村ツーリズム協会(Gコース のんびり奥集落) TEL 0980(50)1130
これらは今後、田んぼや炭焼きなどと合わせて、
体験型観光、エコツーリズムの素材として共同店の新たな事業となりそう。
さすが、共同店発祥の地はまだまだ元気だと安心したんですが、
今困っていることは、と糸満さんに尋ねると、
「最近、パンを卸してくれていた業者が廃業してしまって、
ウチを含めて周辺の共同店にもパンが入ってこないんですよ。
仕方ないから、自分で辺土名まで仕入れに行ってます。
モチロン赤字覚悟。ガソリン代も出ないです(笑)」
やはり苦労は絶えないですね~
糸満さんをはじめ、共同店を経営されている方々は、
みな「部落のため」という使命感で努力されている人たちばかり。
本当に頭が下がるというか、
支えていく仕組みを考えていかなといけないですね。
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前回もお知らせしましたが、
12月10(土)に、創立100年に向けた奥共同店のフォーラムが開催されます。
たくさんの人が参加して、共同店の現在と未来を、一緒に考えていけたらと思います。
奥区事務所 0980‐41‐8446
奥共同店 0980-41-8101
Posted by mkat at 23:52│Comments(0)
│共同売店訪問記
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